箇条書きを別の見せ方に変えるときは、見た目の変化より、項目同士の関係を考えます。順番のある作業なら手順図、関連する情報ならグループ、選択肢の比較なら表、測った量の違いならグラフが役立ちます。独立した持ち物を伝えるだけなら、箇条書きのままのほうが分かりやすい場合もあります。

スライドのレイアウトを整えるツールを使う場合も、先に何を伝える配置なのかを決めておきましょう。同じ文章でも、矢印を加えると順序があるように見え、大きさを変えると数量の差があるように見えます。整った配置が、元の情報と違う意味を伝えてしまわないようにします。

以下では、架空のワークショップを例に、箇条書きを五つの方法で見せ直します。名前、会場、人数などは、説明のために設定したものです。

箇条書きから、手順、まとまり、比較、数量に合う四つのレイアウトへ分かれる図。

レイアウトの前に、情報の関係を決める

文章を読み、項目が順番を表すのか、まとまりを作るのか、選択肢を比較するのか、数量を示すのかを確認します。流れ図は進行を、同じ大きさのパネルは対等なまとまりを、グラフは尺度に沿った量の違いを伝えます。

元の箇条書きにない関係まで足すと、スライドは誤った説明になります。単に三つの担当を示しているのに矢印で結ぶと、順番に作業するように見えてしまいます。スライドごとに構造を変えても、文字や色の使い方をそろえれば、資料全体のまとまりは保てます。

順番のある作業は、手順として見せる

次の四つの指示が、箇条書きになっているとします。

  • 用意された写真の中から1枚選ぶ。
  • 写真を見て気付いたことを1文で書く。
  • 写真と文をペアの相手に見せる。
  • 相手の質問を聞いて、文を直す。

これは、前の作業を受けて次へ進む活動です。「選ぶ → 書く → 見せる → 直す」という四つの段階に分けると、何をしてから次へ進むかが分かります。

ただし、短いラベルにした際に、必要な条件を落とさないようにします。「選ぶ」の下には「用意された写真から」、「直す」の下には「相手の質問を受けて」と残します。元の説明にあるペアの相手も明示します。

四つの段階を等間隔に並べても、それぞれの所要時間が同じという意味にはしません。時間を測っていないなら、時間軸ではなく、番号を付けた手順図として示すほうが適切です。

別のスライドには、六つの項目があります。Minaが受付を担当する、受付開始は9時、Julesが会場を準備する、椅子は40脚、Samが紙飛行機の活動を担当する、材料セットは24組、という内容です。

これを「受付 → 会場 → 活動」と矢印でつなぐと、三つがその順番で進むように見えます。しかし、元の情報が示しているのは担当と詳細です。会場の準備は受付より前に終えているかもしれません。

担当すること担当者と役割関連情報
受付Minaが担当9時開始
会場Julesが準備椅子40脚
紙飛行機の活動Samが進行材料セット24組

この三つのまとまりを、矢印のない別々のパネルにすれば、六つの情報をすべて残せます。開始時刻、椅子の数、材料の数は単位が違うため、一つのグラフに並べる必要はありません。また、椅子が40脚あることは、参加者が40人いるという意味ではありません。

実際の進行表を作るなら、開始・終了時刻や、どの準備が終わらないと次へ進めないかを別に確認します。担当表だけから時間の流れを作らないようにしましょう。

誤った矢印の図と、Minaの受付9時、Julesの椅子40脚、Samの材料24組を別々にまとめた図の比較。
担当と詳細を分けてまとめれば、元の情報にない作業順序を示さずに済みます。

選択肢は、同じ項目で比較する

会場を選ぶスライドで、「会場A:24人、椅子を動かせる、プロジェクターあり」「会場B:40人、固定席、映像設備は未確認」と書かれているとします。この場合は、同じ項目を横に並べる表が役立ちます。

比較する項目会場A会場B
定員24人40人
座席椅子を動かせる固定席
映像設備プロジェクターあり未確認

「未確認」は、空欄や「なし」とは違います。×印にすると設備がないと読み取られるため、分かっていない状態を言葉で残します。

20人で小グループの活動をする計画なら、会場Aは検討する価値があります。ただし、この表だけで常にAが優れているとは言えません。予約できるか、利用しやすいか、必要な設備が使えるかも確認が必要です。情報が足りないときは、勝者の印を付けるより、判断に足りない点を明らかにします。

測った量の違いは、尺度のそろったグラフで示す

30人が希望する活動を一つずつ選んだ、という架空のデータを考えます。お絵描き12人、模型作り9人、プログラミング6人、写真3人です。この違いを見せたいなら、横棒グラフが使えます。

数値の軸は0から始め、すべての棒を同じ尺度にそろえます。単位を「人」とし、12・9・6・3の値も表示します。合計30人で、一人が一つ選んだという条件も残します。これは図の説明用の数値で、実際の利用者調査や学習効果の調査ではありません。

見出しは「この例では、お絵描きが最も多く選ばれた」ならデータに合っています。「最も効果的な活動」では、測っていない効果まで主張してしまいます。希望した人数から、当日の出席人数を予測することもできません。

正確な値を探すことが目的なら表でも十分です。違いをひと目で比べたいときにグラフを選びます。棒に加えてアイコンの面積まで変えると、同じ差を二重に強調することがあるため、必要のない装飾は足しません。

独立した項目なら、箇条書きを残す

「ノート」「水筒」「印刷した写真1枚」という持ち物を伝えるだけなら、読みやすい箇条書きが適しています。この三つには作業の順番も、優先順位もありません。流れ図や段階図にする必要はありません。

子ども向けなら、文字に小さな絵を添える方法もあります。ただし、四角い形だけではノートなのか写真なのか分からない場合があります。ラベルを残し、項目間に十分な余白を取りましょう。

すべての箇条書きを別の形に変えることが目的ではありません。聞き手が必要な情報を取り出せるなら、そのスライドでは箇条書きが最も適していることもあります。

形を変えても、情報の意味を残す

元の箇条書きを新しいスライドの横に置き、担当者、数値、単位、条件、まだ分からないことが、それぞれどこに残っているかをたどります。短くしたラベルのせいで、相手や前提が消えていないかも確認します。

次に、新しい図を声に出して説明します。「この矢印は、この後に必ず進むという意味ではない」と言いたくなるなら、その矢印は要らないかもしれません。表や図を選ぶ基準は、見栄えの変化ではなく、元の情報に合った関係を伝えられるかどうかです。役立っている箇条書きは、そのまま残しましょう。