PowerPointでプレゼンを録画するには、デスクトップアプリで開始するスライドを開き、[Record]からナレーションとスライドの表示時間を記録します。編集用のプレゼンファイルを保存したうえで、PowerPointを開かずに見てもらう場合は動画として書き出します。最初に短い試し録りをしましょう。マイクの選択ミスは、20分話した後より20秒で気づけたほうが直しやすくなります。

録画した説明は、発表者がその場にいなくても伝わる必要があります。各スライドで説明する要点と、次のスライドにつなぐ一文を発表者ノートにまとめておきます。文字の多いスライドを、そのまま読み上げ原稿にするのは避けましょう。

この記事ではデスクトップ版PowerPointを対象に、3枚の新人研修スライドを例として進めます。目指すのは、後から見返せる説明と、うまく話せなかった部分だけを差し替えられる構成です。

3枚のスライドにそれぞれ音声が対応し、1本の再生可能な動画になる流れ。

見る人に合わせて渡すファイルを決める

作業用には、編集可能なPPTXを残します。動画は配布用の別ファイルです。視聴しやすい一方、視聴者がスライド内の要素を編集できるわけではありません。後でPPTXを変更しても、すでに送った動画は更新されません。

相手がしたいこと渡すもの録画前に決めること
ブラウザーや動画プレーヤーで説明を見るMP4などの動画配信先の容量制限と対応形式
後でスライドや音声を編集する合意した保管場所に置く元のPPTX最終版の管理者と編集できる人
音声を聞かずに内容を読む動画に添える読み物や書き起こし手順・日付・リンクを文字だけで理解できるか

今回の例では、新入社員に設備の修理依頼の出し方を短い動画で説明します。連絡先が変わる可能性があるため、研修担当者はPPTXも保管します。手順を説明するのに実際の顧客情報は不要なので、依頼内容には架空の例を使います。

スライドだけでは伝わらない部分を話す

録画を見る人は、不明な表現があってもその場で質問できません。行動に必要な背景を補いながら、画面の文字をすべて読み上げるのは避けます。要点はスライドに置き、音声では例・理由・適用範囲を説明すると役割が分かれます。

スライド画面に示すこと音声で補うこと
1. 状況を具体的に伝える場所・機器・起きていること「『プリンターが壊れた』ではなく、『2階のプリンターに紙詰まりの表示が出ている』と書きます。場所と表示内容が分かれば、対応する側が状況をつかみやすくなります」
2. 連絡方法を選ぶ通常の依頼か、緊急の懸念か「通常の依頼は所定の受付に出します。緊急の場合は、現在の職場の指示にある別の連絡先を使ってください。この例のフォームが確認されるまで待つ方法は取りません」
3. 受付番号を残す番号を保存し、返信を確認する「同じ依頼についてやり取りできるよう、受付番号を保存します。状況が変わったら、決められた方法で追加連絡します。誰かが気づいていると決めつけないようにしましょう」

これは説明の組み立て方を示す例であり、職場の安全手順そのものではありません。研修に使う場合は、連絡経路を自社の実際の指示に置き換えます。受講者の行動を左右するため、この違いは例のすぐそばで明示する必要があります。

説明を一度声に出し、言いにくい表現や繰り返しを減らし、説明のない略語を言い換えます。必要な一文がスライドに欠けていれば、録画前に直します。文章の手順書から始める場合は、Presentiで構成案を編集可能なスライドの下書きにすることもできます。その後、PowerPointでナレーションと録画を仕上げます。この流れでPresentiが担うのは下書き作成であり、録画ではありません。

短く録画して、最後まで再生する

本番と同じマイクと部屋で試します。マイクを安定した位置に置き、通知音を止め、音が鳴りそうなアプリは閉じます。カメラも使う場合は、顔の映像が重要なラベルに重ならないようにします。

PowerPointで開始するスライドを開いて[Record]を選び、赤い録画ボタンを押します。カウントダウンの後に話し始め、短く録画したら停止して再生します。Microsoftの録画ガイドでは操作方法に加え、スライドの切り替え中はナレーションが記録されないことも説明されています。文を言い終えてから切り替え、次のスライドが表示されてから話し始めましょう。

音声のアイコンがあるだけで済ませず、試し録りを最後まで聞きます。最初の言葉が入っているか、同じ端末のほかの動画より極端に小さくないか、ファンやキーボード、ケーブルの音が目立たないかを確認します。声が入っていなければ、使いたいマイクとOSのマイク権限を確認してから、もう一度短く録画します。

録画画面はデスクトップ版のバージョンによって異なります。Microsoftのバージョン別の録画手順には、音声、表示時間、利用可能なカメラや注釈の機能が載っています。画面が違う場合は、使用中のバージョンの説明を参照してください。ブラウザー版にも同じ操作がすべてあるとは限りません。

1枚だけ録り直す

1枚目と3枚目は問題ないものの、2枚目に長い言いよどみと古い連絡先が入ったとします。直すべき箇所は限定されています。2枚目の文字と話す内容を修正し、そのスライドだけ録り直せば、よい部分を捨てずに済みます。

  1. 記録済みの内容を置き換える前に、作業用のコピーを保存します。
  2. 録り直すスライドに移動します。
  3. 使用中のバージョンで、現在のスライドを対象とする録画・削除の操作を選びます。全スライドの記録を消す操作とは区別してください。
  4. 修正した説明を録画し、再生します。
  5. 前のスライドの終わりから新しい音声へ、さらに次のスライドへと続けて聞きます。
3つの音声区間のうち2番目だけを差し替え、1番目と3番目を残して、修正後の流れを再び動画に書き出す。
直した部分の前後も続けて再生してから、動画を書き出します。

つながりの確認は欠かせません。新しい音声だけでは正しくても、前のスライドの最後の文を繰り返していたり、次への説明が途中で切れていたりします。各スライドでひとまとまりの説明を完結させておくと、後から一部を変更しやすくなります。

研修の例なら、1枚目を「次に、適切な連絡方法を選びます」で終えます。2枚目は何を選ぶのかを示して始め、「それから、もう一つ……」のように前の話に依存させません。3枚目も、受付番号を残す指示として単独で理解できるようにします。

録画した音声と表示時間を使って書き出す

Windowsのデスクトップ版PowerPointでは、PPTXを保存してから[File → Export → Create a Video]を選びます。適切な画質を選び、記録したタイミングとナレーションを使う場合は、その設定を選択します。動画作成を開始したら、処理が終わるまで待ちます。Microsoftのプレゼンを動画にする手順に、この方法が説明されています。

対応するMacのデスクトップ版では、[File → Export]から利用できる動画形式を選び、記録済みのタイミングとナレーションを使う設定を確認します。Macの書き出しに関する説明には、対応バージョンと、埋め込みメディアがナレーションとは異なる扱いになる場合の注意点もあります。別の動画クリップを含む場合は、そのまま再生されると決めつけず、書き出したファイルで確認します。

視聴時の画面サイズで文字を読める解像度を選びます。解像度を上げても、小さすぎるラベルや詰め込みすぎたスライドは解決しません。短い社内研修なら、まず試しに書き出して読みやすさと容量を確認し、その後で全体の設定を決めるとよいでしょう。

問題が起きているファイルを切り分ける

症状最初に分けて考えること次の対応
動画に音がないPPTX内で再生しても音がないか元から無音ならマイクと録画を確認。元には音があるなら、書き出し時の音声設定と動画の再生音量を確認します。
説明が終わる前に次のスライドになる元の記録の長さは正しいか該当スライドを再生し、時間か音声を直してから、記録済みの時間を使って書き出します。
切り替え時に言葉が抜ける画面の切り替え中に話していなかったか切り替えの前後に間を置いて録り直します。
共有した動画に古い説明が残るPPTXだけ更新し、動画は古いままではないか再度書き出し、配布用ファイルを置き換え、共有リンクの参照先を確認します。
アップロード後の動画が読みにくい同じ表示サイズのローカル動画は鮮明か元も読みにくければスライドを簡潔にします。アップロード後だけ悪ければ、配信先の再生品質や処理状況を確認します。

リンクを送る前に、実際に配布するファイルを通常速度で最後まで見ます。言葉の欠けを聞き取り、重要な最小文字を読み、記載された次の行動をたどります。作成アプリ内のプレビューだけでは、別のファイルをアップロードしたことや共有権限の問題は分かりません。

元のスライド、完成動画、書き起こしは、版が分かる名前でまとめて保管します。説明の元になる手順が変わったら、元ファイルと録画を意識して更新しましょう。完成させたいのは、音の付いたファイルではなく、相手が繰り返し見て行動できる説明です。