パレート図は、測定した合計のうち、どの分類が大きな割合を占めるかを伝える図です。分類を値の大きい順に並べ、すべての棒に同じ指標を使います。偏りを説明する助けになる場合は、累積比率の折れ線を加えましょう。発表で大切なのは、見えた傾向を、根拠のある次の行動につなげることです。

たとえば、「ログインと請求が問い合わせの60%を占める」は結果です。「ログインと請求を直せば問い合わせが60%減る」は予測であり、図だけでは裏づけられません。この記事では、一つの小さなデータセットを使い、分類からグラフ、スライドの見出し、判断までをつなげます。

分析結果をPowerPointの下書きにまとめてあるなら、Presentiでスライドのレイアウトを整えることができます。変更後はラベル、目盛り、数値の意味を確認してください。先に計算を済ませましょう。見栄えのよいグラフでも、入力データの正しさは保証されません。

値の大きい順に並べた棒と累積の折れ線で、少数の分類が合計に占める割合を示す図。

棒を描く前に合計の意味を決める

1件が何を表すか決めます。問い合わせ、顧客、不具合、作業時間はそれぞれ異なる単位です。1人の顧客が複数回問い合わせることも、一つの問い合わせに複数の問題が含まれることもあります。これらを混ぜて数えると、もっともらしく見えても、明確な問いに答えない図になります。

架空のヘルプデスクの例では、対応が完了した問い合わせ1件を単位にします。チームは4週間の200件に、それぞれ主分類を一つだけ付けます。請求の問い合わせにログインの難しさも書かれていても、連絡の主な理由が請求なら、請求に分類します。集計の前にルールを決め、一貫して適用します。

スライドの対象範囲は、「対応完了200件、例示用の4週間、1件につき主分類一つ」と短く記せます。細かな手順でスライドを埋めずに、分母を明らかにできます。顧客の実人数や、すべての障害の件数と誤解されることも防げます。

分析によっては複数ラベルが適切ですが、その場合の合計はラベル付与数になり、または比率が重なります。どちらの扱いかを明示してください。重複のある問い合わせ比率を、100%を分割したもののように示してはいけません。

各分類の比率と累積比率を計算する

ASQのパレート図の解説では、分類ごとの測定値を大きい順に置き、累積比率の折れ線は必要に応じて加えるものとしています。ここでは、上位の分類が業務量のどのくらいを占めるかが問いなので、折れ線が役立ちます。

主分類問い合わせ件数比率累積比率
ログイン7236%36%
請求4824%60%
初期設定3216%76%
権限2412%88%
書き出し168%96%
その他84%100%

各比率は、分類の件数を200で割った値です。ログインは72 ÷ 200 = 36%。請求の48件を加えると、二つ目までの累積値は(72 + 48) ÷ 200 = 60%です。丸めた比率を足すのではなく、丸める前の件数で計算を続けます。

三つ目までで76%、四つ目までで88%になります。80%の補助線は、三つ目と四つ目の間を横切ります。「ちょうど三つで80%」を示すわけではなく、上位四つが同じ重要度になるわけでもありません。

この例の分類は六つです。上位二つは分類数の3分の1で、問い合わせの60%を占めます。データは「20%が80%を生む」という厳密な割合にはなっていません。よく知られた言い回しに合わせるために、分類や目盛りを変える必要はありません。

件数と比率の目盛りを対応させる

件数には棒、累積比率には見分けやすい折れ線を使います。左軸を「問い合わせ件数」、右軸を「累積比率」と表示しましょう。離れた凡例を読み解かなくても、二つの指標を区別できるようにします。

この複合グラフでは、左軸を0から合計の200、右軸を0%から100%にします。すると100件と50%が同じ高さになり、折れ線と棒の関係を理解できます。作図ツールが軸を別々に自動設定した場合は、そのままにせず調整してください。

最も高い棒は72件なので、対応させた作図領域の高さの36%にとどまります。それで正しい表示です。棒に値を直接付け、図のスペースを十分に確保しましょう。印象を強めるために棒の軸を途中から始めてはいけません。二軸の図が混み合う場合は、値順の横棒グラフと、別の累積表を組み合わせる方法もあります。

六つの分類名は短くします。見出しが上位二分類について述べているなら、ログインと請求を一緒に強調し、残りは控えめな色にします。累積60%の点も示しましょう。すべての棒を別々の鮮やかな色にすると、伝えたい集中の傾向から注意がそれます。

下の図は、上の例示データを使っています。棒と累積値は同じ200件を表しており、折れ線は時間の推移ではありません。

問い合わせ200件のパレート図。件数は72、48、32、24、16、8、累積比率は36%、60%、76%、88%、96%、100%。
ログインと請求は、200件中120件、つまり60%を占めます。

因果関係を断定せず、傾向を判断につなげる

たとえば、見出しは「ログインと請求が問い合わせの60%を占める。まず繰り返し発生するきっかけを調べる」とできます。図の下には、「両分類の問い合わせ記録を読み、案内で防げる混乱と、製品の修正が必要な不具合を分ける」と短い行動方針を添えます。

この行動は図から導ける一方、調査の余地を残しています。「ログイン」は分類であって、根本原因ではありません。パスワード忘れ、招待リンク、アカウント設定、サービスの中断などが含まれるかもしれません。原因が違えば、担当者や対策も変わります。

口頭では具体的に短く説明できます。「対応を終えた200件を、連絡の主な理由で分類しました。ログインは72件、請求は48件で、合計120件、60%でした。対策を選ぶ前に、この二分類で繰り返している発生要因を調べることを提案します。」

この説明が主張していない点にも注意してください。120件をすべてなくせる、最もコストがかかる問い合わせである、来月も同じ内訳になる、とは述べていません。そうした判断には追加の証拠が必要です。元の苦情から始める広い流れは、顧客クレーム分析のプレゼン資料ガイドで、図の前後に必要な判断とともに解説しています。

件数は工数や重大さとは異なる

架空のチームが対応時間も測っているとします。ログインは平均1分、請求は平均10分なら、合計はログイン72分、請求480分です。件数ではログインが首位でも、工数では請求が首位になります。

この二つの平均だけでは、工数のパレート図全体は作れません。六分類すべてで比較できる対応時間の合計を集め、改めて並べ替えます。元の問い合わせ件数の図に「分」の折れ線を足すと単位が混ざり、累積の問い合わせ比率ではなくなります。

二つの見方は別の問いに答えます。問い合わせ種別がどれほど多いかを知りたいなら件数、サポートの作業能力を何に使っているかを知りたいなら対応時間を使います。まれでも平均化して見過ごせない影響がある問題には、重大さの評価を別に設けます。件数の少ない問題でも、順位に関係なくすぐ対処すべき場合があります。

分類ごとに利用機会が異なる場合も、件数だけでは誤解を招きます。10,000アカウントが使う機能は、100アカウントが使う機能より問い合わせが発生する機会が多くなります。信頼性の比較では、利用中のアカウント当たりの率が適切かもしれません。ただし、分母の異なる率を単純に足して、累積100%の線にすることはできません。分析を分け、分母を説明してください。

合計の変化を隠さず期間を比較する

対策後は、比較できる期間の件数と比率を両方見ます。ログインが200件中72件から、100件中50件になったとします。比率は36%から50%へ上がる一方、件数は22件減っています。「ログインが問い合わせの半分に増えた」とだけ報告すると、件数の減少が見えなくなります。

どちらの数字も、それだけで対策の効果を証明するものではありません。利用状況が比較できる期間か、分類ルールが同じか、サービスに他の変更がなかったかを確認します。「ログインの問い合わせは減少したが、縮小した全体に占める比率は上昇」が、「ログインの問題が悪化」より正確な見出しです。

期間別にパレート図を二つ作るなら、各期間の値で並べ替え、同じ分類には同じ色を使います。分類ごとに直接比較するなら、順序を固定した集合棒グラフのほうが読みやすい場合もあります。すべての追跡分析をパレート図にせず、比較したい問いに合う形式を選びましょう。

自分のスライドに使える構成メモ

問い:[一つの測定指標の合計]のうち、どの分類が大きな割合を占めるか。

対象範囲:[対象集団]、[期間]、[単位]、[分類の割り当てルール]。

結果:[上位分類]は、[合計]のうち[件数]、すなわち[比率]を占める。

次の行動:[範囲を限定した行動]を決めるために、[具体的な元の証拠]を調べる。

解釈の範囲:この図は[頻度・工数・コスト]を順位付けするもので、[因果関係・重大さ・その他の未測定の結果]を示すものではない。

スライドを作る前に、自分のデータでこのメモを埋めます。合計と累積線を同僚が再計算できるよう、元の表を資料と一緒に保管しましょう。計算と結論が一致すれば、スライドに必要なのは明確な見出し、図、短い対象範囲の注記、そして聴衆に支持を求める行動です。