「Tomeが突然使えなくなった」「データはどうなる?」「次は何を使えばいい?」——2025年4月以降、こうした声がSNSやコミュニティに広がっています。
世界中で300万人以上のユーザーを持ち、「AIでプレゼン資料を作る時代」を象徴するツールとして一時代を築いたTome。しかし2025年4月30日、そのコアサービスが突然終了しました。
この記事では、Tomeがどんなツールだったのか、なぜサービスを終了したのか、そしてTomeの代わりに今すぐ使えるツールとして注目されているPresentiについて、機能・料金・使い勝手まで詳しく解説します。
「次のツールをどれにすべきか迷っている」という方にとって、判断材料になる情報をできるだけ具体的にまとめました。
Tomeとは?サービス終了までの歩み

Tomeの登場と急成長
Tomeが初めて公開されたのは2022年のことです。開発したのはアメリカのスタートアップ企業「Magical Tome社」。創業者のKeith PeirisとReed Shaffnerが立ち上げたこのプロダクトは、「テキストを入力するだけでスライドが完成する」というシンプルな体験で、リリース直後から爆発的な注目を集めました。
従来、プレゼン資料を作るには、パワーポイントやKeynoteを開いて、自分でテキストを書き、レイアウトを整え、画像を探してきて配置する——という一連の作業が必要でした。慣れた人でも数時間はかかるこの作業を、Tomeは「数分」で完結させたのです。
OpenAIのGPT-4による自然言語処理と、DALL-Eを活用した画像生成を組み合わせることで、ユーザーが短いプロンプトを入力するだけで、タイトル・目次・本文・画像が自動生成されたスライドが完成する。このプロセスは「Prompt-to-Presentation」と呼ばれ、当時のAI業界でも非常に先進的な取り組みとして話題になりました。
2023年には全世界でユーザー数が100万人を突破し、その後300万人を超えるまでに成長。日本でも「Tome AI」「AIプレゼン」「スライド自動生成」などのキーワードで多くの記事や動画が作成され、ビジネスパーソンや教育関係者を中心に急速に普及していきました。
Tomeが支持された理由——主な機能と強み
Tomeが多くのユーザーに選ばれた背景には、他のツールにはない複数の強みがありました。
① プロンプト入力だけで完成するスライド生成
Tomeの最大の特徴は、とにかく操作が簡単なことです。「新しい製品の紹介スライド」とか「チームの四半期報告」などのテーマをテキストで入力するだけで、AIが構成を考え、8〜10枚程度のスライドを自動で作り上げてくれます。最大25枚まで対応しており、業務レベルの資料も十分に作れる内容でした。
② 独自のタイルシステム
パワーポイントのような「スライド単位」ではなく、Tomeは「タイル」と呼ばれるブロックでコンテンツを管理する独自の設計を採用していました。これにより、テキスト・画像・動画・Webコンテンツなどを自由に組み合わせて配置でき、従来の静的なスライドとは異なるインタラクティブな表現が可能でした。
③ Stable Diffusion XLによるAI画像生成
スライドに使用する画像も、AIが自動で生成してくれました。Stable Diffusion XL(イギリスのStability AIが開発した画像生成技術)を採用しており、テーマに合った画像をプロンプトで指示するだけで即座に作成できます。ストックフォトを探す手間が省けることから、特にマーケターやデザイン知識のない方から高く評価されていました。
④ 外部コンテンツの埋め込み
YouTubeの動画やMiroのホワイトボード、Figmaのデザインデータなど、外部ツールとの連携にも対応していました。プレゼン中にそのまま動画を再生したり、リアルタイムでホワイトボードを共有したりすることができ、従来のスライドでは難しかった「動的なプレゼン体験」を実現していました。
⑤ 日本語への完全対応
アメリカ発のツールながら、日本語にもしっかり対応していました。プロンプトを日本語で入力すれば日本語のスライドが生成され、UIも日本語化されていたため、英語が苦手なユーザーでも問題なく使えました。
⑥ どのデバイスでも見られる最適化表示
作成したスライドは、PCでもタブレットでもスマートフォンでも、画面のサイズに合わせて自動的にレイアウトが最適化されました。「スマホから資料を見たら崩れていた」という悩みを解消できる点も、ユーザーに好まれていた理由のひとつです。

Tomeがサービス終了した理由
急成長を続けていたように見えたTomeが、なぜ2025年4月30日にサービスを終了したのでしょうか。その背景には、いくつかの構造的な問題が重なっていました。
問題① 無料ユーザーに偏りすぎた収益構造
Tomeの登録ユーザーの多くは、無料プランを利用していました。300万人というユーザー数は確かに印象的な数字ですが、実際に課金している有料ユーザーの割合は決して高くなかったとされています。無料プランでもかなりの機能が使えたため、「無料で十分」と感じるユーザーが多く、有料プランへの移行が進まない状況が続いていました。
問題② AIの運用コストが重くなった
GPT-4やDALL-Eを使ったコンテンツ生成は、1リクエストごとにかなりのコストが発生します。ユーザー数が増えれば増えるほどコストも比例して膨らむ構造の中で、収益が追いつかない状況に陥っていきました。特に無料ユーザーが多い場合、コストを回収できる仕組みが成立しにくくなります。
問題③ 生成品質とデザイン自由度の限界
ユーザーからは「Tomeっぽい見た目になりがち」「デザインのカスタマイズが難しい」という声も少なくありませんでした。テンプレートが充実していなかったこともあり、どのスライドも似たような印象になってしまうという制約がありました。
その後の動き:「Lightfield」への転換と「Tome」ブランドの売却
こうした課題を受け、Tomeの創業チームは大きな決断をします。プレゼンツールとしてのTomeを終了させ、営業組織向けのAI特化型CRM「Lightfield」として事業を再スタートさせたのです。CEOのKeith Peiris氏は自身のLinkedInで「我々はTomeをシャットダウンし、営業インテリジェンスという本当の困難な問題を解決する」と明言しました。
また、「Tome」というブランド名自体は、スタートアップ投資プラットフォームの「AngelList」に買収されました。私たちが使っていたプレゼン作成ツールとしてのTomeは、事実上その役割を終えたことになります。
Tomeに代わるAIプレゼンツールを選ぶポイント
Tomeが終了したことで、多くのユーザーが代替ツールを探し始めています。ただ、一口に「代替ツール」と言っても、ツールごとに強みや対応範囲はさまざまです。次のツールを選ぶ際に確認しておきたいポイントを整理しておきましょう。
① 日本語対応の品質
UIが日本語化されているだけでなく、日本語プロンプトによる生成精度も重要です。英語に強いツールでも、日本語コンテンツの生成品質が低いと実務では使いにくくなります。
② テンプレートの豊富さとデザイン品質
「Tomeっぽい見た目」という批判があったように、テンプレートのバリエーションはプレゼンのクオリティに直結します。業界・目的・スタイルに合ったテンプレートが豊富にあるかどうかは、選定の大きな軸になります。
③ 入力形式の多様性
テキスト入力だけでなく、既存のWordファイルやPDF、Markdownからスライドを生成できるツールは、既存資料の流用ができるため実務での活用の幅が広がります。
④ エクスポート形式の選択肢
「PDFにしか出力できない」というツールでは、社内共有やクライアント提出の際に不便が生じることがあります。PowerPoint(.pptx)形式での出力に対応しているかどうかは必ず確認したいポイントです。
⑤ 料金・無料プランの充実度
AI系ツールの中には、無料プランがほぼ機能しない状態のものも存在します。「実際に使ってみてから判断したい」という方にとって、無料プランでどこまで使えるかは重要な判断材料です。
⑥ チームでの共同編集
個人利用だけでなく、チームで資料を作る場合は、リアルタイムの共同編集機能があるかどうかも確認が必要です。
Tomeの代替ツール「Presenti」とは?
こうした選定基準を踏まえた上で、現在Tomeの代替として注目されているのが「Presenti」です。

Presentiの基本概要
PresentiはAIを活用してプレゼンテーションスライドの作成を自動化するオンラインツールです。ブラウザから直接利用でき、アプリのインストールは不要。テキストを入力するだけでスライドが生成されるという基本的な体験はTomeに近いものがありますが、機能の幅や使い勝手の面では大きく進化しています。
日本語にも対応しており、日本語プロンプトによるスライド生成や、テンプレートの日本語表示も問題なく使えます。特にTomeを使っていたユーザーが乗り換えやすいよう、操作フローが直感的に設計されている点も特徴的です。
Presentiの主な機能と強み
① 複数の入力方式に対応
Presentiの大きな強みのひとつが、入力方式の多様さです。テキストからだけでなく、WordファイルやPDF、さらにMarkdown形式のテキストからもスライドを生成できます。「すでにある資料をスライドに変換したい」というニーズに応えられる点は、Tomeにはなかった機能です。
- テキスト入力:テーマや概要を入力してスライドを生成
- Wordファイルから生成:既存の文書をそのままスライドに変換
- PDFから生成:PDFの内容を読み取ってスライド化
- Markdownから生成:エンジニアやライターが使いやすい形式にも対応
② 豊富なテンプレートライブラリ
Tomeにはテンプレートがほとんど用意されていなかったため、生成されるスライドのデザインが単調になりがちでした。Presentiは業界・目的・スタイルに応じた多数のテンプレートを提供しており、ビジネスピッチから教育資料、営業提案書まで、目的に合ったデザインをすぐに選ぶことができます。
テンプレートにはプレビュー機能がついており、選ぶ前に見た目を確認できるため、「生成してみたら思ったデザインと違った」というストレスを減らせます。
③ AIによる自動デザイン最適化
プロンプトを入力した後、PresentiのAIはアウトラインを生成するだけでなく、各スライドのレイアウト・カラースキーム・フォントのバランスまで自動的に調整します。デザインの知識がなくても、見栄えのよいスライドが仕上がる仕組みです。
特に「スライド全体のデザインの統一感」を保ちながら生成できる点は、ビジネス用途での信頼感につながります。
④ 大規模な画像・アイコンライブラリ
AI画像生成とは別に、Presentiは大量のストック画像とアイコンのライブラリを内蔵しています。スライドに挿入したい画像を検索して追加できるため、画像のクオリティやトーンを細かくコントロールしたい場合に便利です。
⑤ PPT・PDFなど複数形式でのエクスポート
作成したスライドはPowerPoint(.pptx)形式またはPDF形式でエクスポートできます。PowerPoint形式で出力できることで、会社の社内テンプレートに後から合わせたり、細かい修正をパワーポイント上で行ったりすることが可能になります。Tomeでは有料プランでもPDFにしか出力できなかったことを考えると、これは大きな改善点です。
⑥ 共有リンクによるリアルタイム共同編集
チームで資料を作成する場合、共有リンクを発行してリアルタイムで共同編集することができます。誰かが修正したらすぐに反映される仕組みで、離れた場所にいるチームメンバーとも効率的に作業を進められます。
⑦ 専任のカスタマーサポート
Tomeはメールサポートのみでしたが、Presentiは専任のカスタマーサポートが用意されています。日本語での問い合わせにも対応しているため、ツールの使い方で困ったときにすぐ相談できる環境が整っています。
Presentiの料金プラン
Presentiは複数のプランを提供しており、まず無料で試してみることができます。
- 無料プラン:登録するだけで2,000クレジットが付与される。基本的なスライド生成や編集機能を試すことが可能
- Plusプラン:月額$6から。クレジットが毎月無制限に付与され、エクスポート機能や高度なデザイン機能も利用可能
- プロプランのキャンペーン:現在60%オフで提供されており、月額わずか$8でフルアクセス可能(キャンペーン期間による変動あり)
Tomeの有料プランが月額$20だったことを考えると、Presentiのコストパフォーマンスは非常に優れていると言えます。また、無料プランのクレジット数(2,000)も実際に使ってみるには十分な量です。
TomeとPresentiの徹底比較
実際にどちらのツールが優れているのか、主要な項目ごとに比較してみましょう。
| 比較項目 | Tome(終了済み) | Presenti |
|---|---|---|
| 現在のサービス状況 | 2025年4月30日に終了 | 現在も継続中 |
| 日本語対応 | 対応 | 対応 |
| スライドの自動生成 | テキストからのみ | テキスト・Word・PDF・Markdownから |
| テンプレート | なし(タイル方式) | 豊富なライブラリあり |
| ビジュアル素材 | AI画像生成(Stable Diffusion XL) | 大規模な画像・アイコンライブラリ |
| デザイン自動最適化 | 基本的な自動レイアウト | レイアウト・カラー・フォントまで最適化 |
| エクスポート形式 | PDFのみ(有料プランのみ) | PPT・PDF など複数形式 |
| 無料プランのクレジット | なし(終了前は500クレジット) | 2,000クレジット |
| 有料プランの料金 | 月額$20 | 月額$6から |
| チーム共同編集 | リアルタイム編集 | 共有リンクでリアルタイム共同編集 |
| サポート体制 | メールのみ | 専任カスタマーサポート |
この比較を見るとわかるように、PresentiはTomeが課題としていた「テンプレートの少なさ」「エクスポートの制限」「コスト」という3つの問題点をすべてカバーしています。
特に注目したいのはエクスポートの問題です。TomeではPDFへの出力が有料プランにしか対応しておらず、PowerPoint形式への変換は最後まで実装されませんでした。Presentiでは無料プランでもPPT出力ができる(プランによる差異を要確認)ため、既存の社内ワークフローに組み込みやすいのが大きな利点です。
Presentiの使い方|Tomeからの乗り換えステップ
これまでTomeを使っていた方が、スムーズにPresentiに移行できるよう、実際の利用手順を説明します。
ステップ1:Presentiに無料登録する
Presentiの公式サイト(presenti.ai)にアクセスし、「無料登録」ボタンをクリックします。Googleアカウントでのサインインが可能なため、新たにパスワードを設定する手間なく、すぐに始めることができます。登録完了後、2,000クレジットが付与されます。
ステップ2:入力方式を選ぶ
PresentiはTomeと異なり、複数の入力方式が選べます。
- テキストから始める:作りたいプレゼンのテーマや概要を日本語で入力
- ファイルをアップロードする:既存のWordファイルやPDFを使いたい場合はここから
- Markdownを使う:テキストエディタでまとめた内容をそのままスライド化
Tomeからの乗り換えであれば、まずはテキスト入力から試してみるのがわかりやすいでしょう。

ステップ3:AIがアウトラインを自動生成する
プロンプトを入力すると、AIがまずプレゼン全体の構成(アウトライン)を提案します。Tomeとの違いは、このアウトライン段階で内容を確認・編集できる点です。「この章はいらない」「この項目を追加したい」という調整をアウトライン段階で行ってから、スライド生成に進むことができます。
ステップ4:テンプレートを選ぶ
アウトラインが確定したら、デザインテンプレートを選びます。ビジネス向け・カジュアル・教育向けなど多数のテンプレートがあり、プレビューを確認しながら選べます。テンプレートを選んだ時点で、フォント・カラー・レイアウトのベースが決まります。

ステップ5:内容を確認・編集する
スライドが生成されたら、テキストや画像を自分の意図に合わせて調整します。AIが自動で入れたコンテンツが意図と異なる場合は、その場で書き直すことができます。画像ライブラリから別の画像に差し替えることも可能です。
ステップ6:PPTまたはPDF形式でエクスポートする
資料が完成したら、エクスポートします。PowerPoint(.pptx)を選べば、社内のテンプレートに合わせた修正や、他のメンバーへの共有がスムーズに行えます。

Tomeユーザーがよく持つ疑問に答えます
Q:Tomeで作ったスライドのデータはどうなった?
サービス終了後にTomeがユーザーに案内した内容によると、作成済みのコンテンツはPDF形式でダウンロードすることが推奨されていました(Proユーザーのみ)。無料ユーザーはPDF出力機能が使えなかったため、スクリーンショットを使うか、内容を手動でコピーするしか方法がなかったケースもあったとされています。
今後のためにも、「作った資料はPPTやPDFで保存しておく」という習慣が大切だとあらためて実感させられる出来事でした。Presentiではこの点を踏まえ、エクスポートへの対応を標準的に備えています。
Q:Presentiは本当に日本語でちゃんと使えるの?
実際に日本語のプロンプトを入力してスライドを生成できます。日本語コンテンツの生成精度も十分実用的なレベルにあり、ビジネス向けの資料作成に問題なく対応しています。UIも日本語化されているため、英語が苦手な方でも迷わず操作できます。
Q:無料プランだけでどこまで使える?
Presentiの無料プランでは、登録時に付与される2,000クレジットの範囲でスライド生成が可能です。テンプレートの選択・スライドの編集・基本的なエクスポートなど、ひと通りの操作を体験するには十分な量です。「まず試してから判断したい」という方は、クレジットカード不要の無料登録から始めてみるとよいでしょう。
Q:Tome以外にもっといい代替ツールはある?
GammaやBeautiful.aiなども有力な選択肢として知られていますが、日本語対応の充実度・コストパフォーマンス・入力方式の多様性という3つの観点でバランスよく対応しているのがPresentiの特徴です。特に日本語でのプレゼン資料作成を主な用途にしている場合は、Presentiが最も使いやすい選択肢の一つと言えます。
まとめ
Tomeは、AIでプレゼン資料を作るという新しい文化を世界中に広め、多くのビジネスパーソンの仕事のやり方を変えたツールでした。2025年4月のサービス終了は確かに残念ですが、その経験で「AIスライド作成ツールがいかに業務を効率化できるか」を知ったからこそ、次のツール選びには同じ体験を求めたいはずです。Presentiは、Tomeが抱えていたテンプレートの少なさ・エクスポートの制限・コストの高さといった課題を解消した上で、Word・PDF・Markdownといった多彩な入力方式や豊富なデザインテンプレートを備えており、Tomeからの乗り換え先として現時点で最も現実的な選択肢のひとつです。まずは無料プランに登録して、実際のスライド生成を体験してみてください。