研修ニーズ分析のプレゼンでは、提案する研修が本当に必要かを判断できるようにします。どの業務で問題が起きているのか。担当者は何ができているのか。練習で改善できる点と、別の対策が必要な点は何か。研修日程を示す前に、まずこの問いに答えましょう。

根拠と対応案が整理できたら、分析結果をまとめた文章から、編集可能なスライドの下書きを作成できます。Presentiには、分かったことと、そこからは言えないことを併せて入力します。仮説が、確定した事実として表現されないようにするためです。

分析結果から、チームの重点練習と依頼フォームの修正という二つの対応に分かれる図。
スキルの不足と分かりにくいフォームには、それぞれ異なる対応が必要です。

スキルの不足と業務手順の問題を分ける

他部署への依頼に記入漏れが多い、社内サービスチームを考えてみましょう。管理者から再研修を求められても、すぐに研修を決めるのではなく、実際の作業と依頼フォームを確認します。ルールを知っていても、必要な情報を書く欄がない人がいるかもしれません。一方、欄はあっても、どの場面で記入すべきか分からない人もいるでしょう。両者に必要な対策は異なります。

CIPDの学習ニーズに関するガイド(英語)では、必要な能力を組織の優先課題と結び付け、研修の実施を前提にせず、適切な対応を検討するよう勧めています。何を判断してもらう資料なのかを示す冒頭で、この違いを明確にしましょう。

最初の依頼は「例外処理の短時間練習と、参照番号の記入漏れを防ぐフォーム修正を承認してほしい」のように絞ります。「研修でサービス品質を向上させる」だけでは範囲が広すぎて、何を承認するのかが伝わりません。

具体例:二つの問題に、二つの対応を考える

以下は架空の社内サービスチームの数値です。分析結果の整理方法を説明するための例であり、Presentiの顧客実績ではありません。

チームは二つの資料を確認します。一つ目は、メンバー24人全員が取り組む共通の練習課題です。二つ目は、ある1週間に受け付けた依頼80件の点検結果です。練習課題での個人の成績と、実際の依頼にある不備では分析単位が違うため、分けて扱います。

確認した資料観察結果そこから言えることまだ分からないこと
24人が取り組んだ共通の練習課題18人は例外ルールを正しく適用し、6人は適用できなかった6人について、課題のつまずきを詳しく確認し、重点的に練習する必要があるこの課題が、業務で遭遇するすべての例外をカバーしているか
1週間分の依頼80件の点検20件で必須の参照番号が欠けていた点検した依頼群に、情報の記入漏れがある知識不足、入力欄の設計、その他の要因のどれが記入漏れを説明するか
フォームの操作確認参照番号の欄が「任意」と表示されているフォームの表示が、定められた記入要件と矛盾しているフォームを修正した後も、どの程度の記入漏れが残るか

一つ目は24人中6人、つまり25%が、確認した練習課題でルールを適用できなかったという結果です。二つ目も80件中20件で25%ですが、対象は従業員ではなく依頼です。この二つの割合を、一つの「スキル不足」のグラフにまとめないでください。数値が同じでも、答えている問いは違います。

また、記入漏れのある依頼を送ったのが、課題でつまずいた6人だとは分かりません。この例には、二つの資料を個人単位で結び付ける情報がありません。元の記録から確認できない関係を、スライドでほのめかすべきではありません。

対応案を中心に6枚のスライドを組み立てる

スライド見出しの例示す内容
1. 判断事項重点練習と依頼フォームの修正を承認する二つの対応、対象チーム、必要なリソース
2. 求められる作業依頼には例外該当の判断と参照番号が必要作業の簡単な説明と、評価で実際に用いた基準
3. 能力に関する根拠共通課題で24人中6人が例外ルールを適用できなかった人数、課題の実施条件、結果から言える範囲
4. 業務手順に関する根拠フォームでは必須欄が「任意」と表示されている矛盾する説明と、点検した80件中20件の記入漏れ
5. 対応案ルールは練習で、入力欄はフォーム修正で対処する各作業の担当者、範囲、想定工数
6. 実施後の確認課題の達成度と依頼の記入状況を別々に確認する何をいつ観察し、誰が結果を判断するか

3枚目には「正答18人」「追加確認が必要な人6人」の単純な棒グラフが使えます。4枚目は、該当するフォーム部分に短い注釈を添える方が適切です。両方に赤と緑のスキル評価表を使うと、手順の問題まで人の能力の問題に見えてしまいます。

幅広い管理者が参加する会議では、集計結果を使います。個人別の詳しい評価記録は、それを扱う権限のある人が管理すべきです。広く共有する資料に、実名付きの従業員ランキングは必要ありません。

根拠のない削減効果をうたわず、必要な時間を示す

提案する練習が45分で、まず6人が参加するとします。参加者の合計時間は6 × 0.75で4.5時間です。進行役の準備に2時間、実施に45分かかるなら、さらに2.75時間を加えます。日程調整、事務作業、その後の指導を含める前の合計は7.25時間です。

この計算は予定工数を示しており、研修の投資効果を示すものではありません。費用に換算する場合は別に計算し、組織で合意した時間単価を使います。フォーム修正の見積もりがまだなければ、費用を勝手にゼロとせず、「フォーム担当者の見積もり待ち」と記します。

削減額を予測できなくても、この提案には意味があります。実際に観察した特定の作業に対し、範囲を絞った対応を求めているからです。より広い展開は、対応が役立つと判断できる結果が得られてから検討できます。

最初の問いに答える方法で実施後を確認する

練習後は、同程度の難しさで細部を変えた課題を使います。最初の答えを覚えているかではなく、例外ルールを適用できるかを見るためです。実施条件と評価した人数も記録します。短い満足度アンケートで分かるのは研修の受け止められ方であり、作業ができるようになったかどうかではありません。

フォーム修正については、比較可能な依頼群を点検し、参照番号の記入漏れ件数と、点検した依頼の総数を併記します。漏れの件数が減っただけなら、依頼そのものが少なかった可能性があります。業務の改善を説明する前に、漏れの割合と、業務量や依頼種別の違いを示しましょう。

両方の対応後に結果が改善しても、その確認だけでは研修の効果を切り分けられません。改善しなかった場合は、観察した作業と手順に立ち返ります。同じ研修を、より多くの人に繰り返すことだけが次の選択肢ではありません。

Presentiにはテーマだけでなく根拠も渡す

Presentiには、テーマを入力する方法と「テキストを貼り付け」(掲載した英語画面では「Paste Text」)を使う方法があります。以下の原稿には「テキストを貼り付け」を使うと、人数、件数、その違い、判断事項を起稿の材料として渡せます。どの結果が研修の必要性を裏付けるかを、スライド生成前に判断し、その理由を原稿に含めてください。

従業員の人数と依頼の件数を分けた架空の研修ニーズ事例を入力した、Presentiの英語版Paste Text画面。
Presentiの英語画面のPaste Textに、例の原稿を入力した状態です。生成後のプレゼン資料ではありません。

架空の社内サービスチームの評価について、管理者向けの6枚のプレゼン資料を作成してください。例外処理の重点練習と依頼フォームの修正を提案します。共通の練習課題では24人中18人がルールを正しく適用し、6人は適用できませんでした。これとは別に、点検した依頼80件中20件に参照番号がありませんでした。フォームではその欄が「任意」と表示されています。6人の参加者と20件の依頼を結び付けないでください。能力に関する根拠と業務手順に関する根拠を分けてください。6人を対象とする45分の練習、進行役の準備2時間、実施45分を含めます。合計7.25時間は削減時間ではなく予定工数として示してください。フォーム修正の見積もりは未確定です。最後に、それぞれ別の確認方法を示してください。結果、日付、承認を作らないでください。

デザインに時間をかける前に、生成された構成案を読みます。二つの資料の結果は、別々のスライドに残っているでしょうか。「従業員の25%が記入漏れを引き起こした」と書かれていたら、元の情報に基づいて修正します。その結論には根拠がありません。

最後は管理者が決めるべきことを示します。提案した練習とフォーム修正を承認するのか、追加の調査を求めるのか、それとも対象範囲を変えるのか、選択を明確にしましょう。