ウォーターフォール図は、最初の金額が、いくつかの増加と減少を経て最後の金額になる過程を示します。プレゼンのスライドでは、合計と増減を分け、単位を統一し、すべての数字がつながるようにします。聞き手が棒を暗算で足すのではなく、「何が変わったか」を読み取れる図にしましょう。

示したいのが時系列の傾向、全体に占める割合、独立した項目の比較なら、ウォーターフォール図は適さない場合があります。まず、その問いに合うグラフを選びます。期首値、増減、期末値に意味のある加減算の関係がある場合に、ブリッジ図として使ってください。

計算を確認し、図で伝える内容を固めたら、説明文からプレゼンの下書きを作成できます。図の数値と形状の正しさは別途確認し、編集可能なウォーターフォール図が自動的に再現されるとは考えないでください。

期首値100から、正と負の寄与を経て期末値115につながるウォーターフォール図

グラフの見た目ではなく、式から始める

架空の継続売上の報告を考えます。単位は月次経常収益の千米ドルです。期首値は100。新規顧客で25増え、既存顧客の契約拡大で10増え、契約縮小で8減り、顧客の離脱で12減ります。期末値は115です。

100+25+10−8−12=115。

この例の項目は、重複しない増減です。同じ売上減少を契約縮小と顧客離脱の両方に入れてはいけません。為替変動、再契約、その他の変化はないものとしています。実際の報告では、関係するすべての増減を入れるか、本当に未解明の差額があるならその旨を示します。

この図が示すのは継続売上の合計の変化です。入金額、利益、顧客数ではありません。図の近くに指標と単位を置き、見慣れた業務用語から別の結果を想像させないようにします。

描き始める前に、各行が増減なのか合計なのかを判断します。「新規顧客:+25」は途中の残高を変えます。「期末売上:115」は、それまでの結果をまとめたものです。両方を加算するのが、この例で特に大きな誤りです。

照合できる元データの表を用意する

グラフ作成ツールに不要でも、作業用の表には途中残高の列を残します。この列があれば、浮いている各棒がどこからどこまでを示すのか分かります。

項目値種類途中残高
期首売上100合計100
新規顧客+25増加125
契約拡大+10増加135
契約縮小−8減少127
顧客離脱−12減少115
期末売上115合計115

値の単位はすべて、月次経常収益の千米ドルです。最初と最後の棒は、ゼロを基点とする合計です。途中の棒は増減を示します。新規顧客は100から125、契約拡大は125から135、契約縮小は135から127、顧客離脱は127から115です。

最後の増減が終わる高さと、期末合計の高さは一致します。一致しなければ、データか図のどちらかが間違っています。つじつまが合って見えるように最後の棒を伸ばしたり、数値を調整したりしてはいけません。

予算を扱う場合は、活動量による変化と、活動量に合わせて調整した予算との差を分ける必要もあります。これは別の分析であり、予実差異を説明するプレゼンの例で扱っています。ウォーターフォール図は計算を表示できますが、どの分析方法が適切かまでは決めてくれません。

図を作り、意味の分かるラベルを付ける

数値が変わるなら、表計算ソフトのグラフが便利です。固定した説明には、正確に作った図形でも対応できますが、図形自体が計算するわけではありません。どちらの場合も、作業用ファイルと元データの表を一緒に残します。

Excelについては、Microsoftのウォーターフォール図の公式手順(英語)で、データを選び、挿入メニューからウォーターフォールを選ぶ方法が説明されています。合計を表す棒を個別に選び、合計として設定すると、浮いた棒ではなくゼロから始まる棒になります。期首と期末をそれぞれ確認してください。接続線を使えば、各増減から次の残高へ進む流れを追いやすくなります。表示・非表示の方法も案内されています。使っているバージョンと環境に対応した手順を参照します。

次に、スライドに合う形へ整えます。合計の棒には「期首」「期末」と対象期間を書き、各増減にプラスかマイナスの符号を付け、単位も残します。項目名をすべて縦書きにしなくても読めるだけの幅を取ります。

合計と増減を見分けられるようにし、増加・減少はそれぞれ同じ扱いにします。緑なら必ず良いとは限りません。費用の増加と売上の増加では意味が違います。色の違いが分からなくても、ラベルを読めば解釈できる図にします。

合計の二重計上を見つける

最後の行の115を、普通の正の増減のままにしたとします。途中残高はすでに115ですが、図ではさらに115を加え、230で終わってしまいます。実際の事業データが2倍になったわけではありません。結果の合計を、追加の寄与として扱っているのです。

正しいウォーターフォール図は115で終わるが、期末合計をさらに加算した誤った図は230に達する比較
期末合計は、それまでの結果です。追加でもう一度足す項目ではありません。

小計にも同じ危険があります。2つの増加の後に「増加後:135」を入れるなら、それは途中残高の小計であり、追加の135ではありません。データと図の両方で役割を明確にします。

グラフの設定では解決できない別の誤りもあります。元の項目が重複している場合です。顧客離脱による12の減少がすでに契約縮小に含まれていたら、合計の設定を正しくしても計算は間違ったままです。見せ方を直す前に元の記録を照合します。

期末合計が別途分かっているのに、並べた増減では説明できない場合は、差額を未解明と明記します。根拠なく「その他の削減」とするより、「未解明の差異:−3」と示す方が正確です。次に必要なのは差額の調査であり、装飾ではありません。

変化が伝わる順番を選ぶ

途中の項目の順番を変えると、最終的な計算結果が同じでも図の形は変わります。この例では、増加を先にまとめると、増加35の一部が減少20で相殺され、差し引き15の増加になることを読み取りやすくなります。

この並び順は説明のためのものです。すべての新規獲得が、すべての離脱より先に起きたと主張しているわけではありません。本当に時系列を示す場合は、その順序を保ちます。そうでなければ、寄与の種類別にまとめた図だと説明します。

月ごとの数値がすでに各月の合計なら、それをそのまま浮いた寄与の棒にしないでください。その問いには、通常、折れ線図や棒グラフの方が直接答えられます。同様に、1期間の総売上を構成する製品別売上は内訳であり、自動的に期首からの増減になるわけではありません。

増減が多くて1枚に読みやすく収まらないなら、重要な項目を主図に残し、残りをどうまとめたか説明します。小さな増加と減少は数値上相殺されても、別々の問題を表すことがあります。都合のよい「その他」の純額に、重要な問題を隠さないようにします。

図を中心にスライドの説明を組み立てる

架空のデータなら、「増加35の一部を減少20が相殺し、売上は差し引き15増えた」という見出しが使えます。「売上は100から115に増えた」も正確ですが、寄与について伝わる情報は少なくなります。

見出しの下に「月次経常収益、単位:千米ドル、架空の例、寄与の種類別に表示」という短い説明を置きます。項目の詳細は図で示せるので、すでに書かれた全数値を文章でも繰り返す必要はありません。

次のスライドは、実際の議論に合わせます。契約縮小の理由が論点なら、その項目の根拠を示します。予測が論点なら、前提を付けた別の予測を提示します。過去のブリッジ図は、翌月も差し引き15増えると予測しているわけではありません。

Presentiは、用意した原稿から周辺の説明を整理できます。確認済みのグラフを使い、伝えたい点を説明してください。生成されたスライドに、数値を編集できるネイティブのウォーターフォール図が再現されているとは限りません。受け取る人が数値を変更する必要があるなら、承認された引き渡し手順で、元データの表と適切な編集可能グラフファイルを渡します。

発表前に左から右へ1回たどり、式と照らし合わせます。符号付きの各増減が次の残高につながり、最後の残高が期末合計と一致することを確かめます。この読み取りやすさが、分かりやすいウォーターフォール図の土台になります。